ハウス食品グループは、「食を通じて人とつながり、笑顔ある暮らしを共につくるグッドパートナーをめざします。」というグループ理念を掲げています。これは、P.ドラッカー先生が著書「企業とは何か」の中で説かれている内容を私たちなりに整理した「3つの責任」を念頭において制定したものです。一企業市民として「お客様への責任」「社員とその家族への責任」「社会への責任」という「3つの責任」を果たし、全てのステークホルダーの方々にとって「グッドパートナー」になることをめざして行くという考え方が根幹になっています。
私たちは、ハウス食品グループの中期計画を「グループ理念」、すなわち"to be" に近づくための行動計画"to do"として、バックキャストの視点で策定しています。
2024年から開始した八次中計の大テーマは、「『食で健康』クオリティ企業への変革<第二章>グローバルなバリューチェーン構築で成長をめざす」です。七次中計から引き続き、「『食で健康』クオリティ企業への変革<第二章>」というタイトルを置き、八次中計からは「グローバルなバリューチェーン構築で成長をめざす」というサブタイトルを新たに設定しました。グループ理念の基盤にもなっている「3つの責任」のそれぞれに対して"to do"である行動計画を策定して、グループ全員で中期計画を推進しています。投資収益性の改善に向けた財務資本政策も含め、これらの計画を実行することで、グローバルにプレゼンスのあるクオリティ企業をめざしていきます。
「お客様の責任」では、現在取り組んでいます第八次中期計画において、「食で健康」をお届けし、自ら新しい価値をつくり出し、お客様に提供していくことで持続的に成長する「クオリティ企業」に変革するため、グローバルなバリューチェーン(VC)構築をめざしています。このグローバルなVC構築は非常に大きな変革です。スパイス系VC、機能性素材系VC、大豆系VCの3つのVCで各々の課題を解決しながらグローバルに新たなチャンスをつかみとり、サステナブルに利益を創出できる企業グループへの変革をめざしております。
「社員とその家族への責任」では、「ダイバーシティを力に変える」というテーマを掲げています。当社グループには、様々なビジネスモデルの事業会社があります。太陽系は、それぞれの惑星が太陽との距離は異なっても遠心力と求心力のバランスを保つことで成り立っています。私たちも同じように、多様性を重視する遠心力と、それを束ねる求心力としてのグループ理念の浸透によって良いバランスを生み出し、ダイバーシティを力に転換できると考えます。これまでもグループ各社の人事制度改定により役割階層マネジメントを推進することでグループ内での人材交流の自由度が増し、横串が刺しやすくなりました。また、バイネーム(指名)によるタレントマネジメントによって、部長クラスなどの幹部候補生に対する自律的なキャリア開発を進めてきました。2026年3月期は、グローバルなVC構築のためにキーとなるポジション要件を定義した「ポジションマネジメント」を連動させ、これまでの施策をつなぎ、VC経営を支える人材・組織づくりを加速していく計画です。これにより、ともに大きな変革を実行できるグループへ、さらに進化させていきたいと考えます。
「社会に対する責任」では、「ハウス食品グループ長期環境戦略2050」の実現に向け、「気候変動への対応」と「資源循環社会の実現」の重要課題に取り組んでいます。そのなかで本来求められている地球環境への対応のあり方をあらためて考慮し、CO2排出量削減目標を原単位で設定していたものを総量でカウントすることに方針を転換しました。目標に対する進捗もタイムリーに社内で把握できるよう、可視化を進めています。また、JFEエンジニアリング(株)様との共同の取り組みとして、「多拠点一括エネルギーネットワークサービス」の運用を2024年4月から開始しています。ハウス食品グループ8社18拠点に電力を供給する仕組みで、対象拠点でのCO2排出量を16%削減できる取り組みです。
2024年10月に当サイトはCSRからサステナビリティへ名称変更しました。今までより領域を広げて環境、健康、人権尊重、生物多様性といったところまで、人間、社会、地球の持続可能な発展に必要なあらゆることを視野に入れ、ハウス食品グループが「3つの責任」全てを果たしていくために取り組むべき経営課題を明確にし、本業での取り組みを推進するという意味をこめて、CSR からサステナビリティへ変更し、積極的な情報発信をしてまいりたいと考えております。
ハウス食品グループはこれからも食を通じて、お客様の笑顔を、社員とその家族の笑顔を、そして笑顔あふれる社会を、共に創るグッドパートナーをめざします。また、ステークホルダーの声に耳を傾け、新たな社会課題をとらえ、未来に向けた歩みを続けてまいります。
2025年11月