「さあ、出来上がり!」と、料理を何気なくそのまま盛り付けていませんか?料理の味わいは、調味だけでなく、見た目からも大きく左右されます。ちょっとしたコツを知って意識するだけで、いつもの料理がもっとおいしそうに変わります。いつもの料理だからこそ、盛りつけまでおいしく仕上げましょう。心を込めて作ったのですから…。
話を伺った人
料理研究家・フードディレクター。誰もが作りやすく、健康に配慮した、簡単でおいしい日常の料理を、雑誌・TV等で提案。新しいアイデアのある分かりやすいレシピが好評で、著書は120冊に上る。スタジオナッツ代表として、食品、調味料、家電メーカー等の商品撮影のフードスタイリングやディレクションも数多く手がけている。
まず、全体の盛り付けを考えますが、このときに大切なのは「器選び」。
もし、新しいものを購入するなら、いつも使っている器より、少し大きめのものを選びます。器を少し大ぶりにしてみる、それだけで盛りつけにいろいろ工夫できることが増えますし、食卓の雰囲気に少し余裕も生まれます。
また、大きめの器となると、シンプルな白い器を選びがちですが、おなじみのいつもの料理に合わせるなら、敢えて、模様や柄のあるものや、ビビッドな色のものを選んでみましょう。その色合いの新鮮さがあなたの盛りつけの助けになり、あなたの遊び心をくすぐってくれますよ。
盛り付ける器の正面を決めます。それは、食する人から、器がきれいに見える向きを決めるということ。器に柄や模様があれば、目立つ柄や模様がきれいに見える器の向きに、また、柄が無ければ、器の色合いや形が映えると思う器の向きに、自分に向けて置きます。つまり、器の「見どころ」を見やすいように置いたとき、手前にくるところが、その器の正面に。「正面を決める」とは、器によって手前をどこにするか決めるということです。
また、ブランド名や裏印も正面に合わせて打たれていることが多いので、裏を返してそれがあったら、読める向きを手前にするといいでしょう。
器の正面を決めると、料理がどこから見られるかを意識して盛り付けることができ、盛り付けの仕上がりも「決まる」のです。
盛りつけるときは、料理をいただく位置より、少し上目から見るようにします。器全体が見渡せるので、盛り付けのバランスがわかりやすくなります。常に「上から見る」ことを意識するといいですね。
盛り付けは、片手でざっとではなく、具材にもう片方の手を添えます。熱いもののときには箸で【押さえる】など工夫をして、基本は丁寧に。いつもより少しゆっくり盛り付けるイメージです。フライパンから直接器にザザーッというのはいただけません。その料理を食してくれる人に対してのやさしさや敬意は、料理の盛り付けからも伝わります。それは、自分に対しても同じことではないでしょうか。
盛り付けた後は汚れをふき取ります。汚れたり、汁がたれたりした器の縁を、最後に濡れ布巾や、ペーパータオルなどで、跡が残らないようふき取ります。きれいに見せるだけでなく、いただく人への思いやりでもあります。
では、次から実際にいろいろな洋食メニューを盛り付けてみましょう。
循環型モデルの構築、そして健康長寿社会の実現に向けて取り組みを行っています。
ホームアクティビティHouse E-magコツをつかめばこんなにおしゃれに!プロに聞く洋食の盛り付けテクニック<基本編>