在宅時間が長くなり、自宅で食事を取る回数が増えたことで、注目を集めている調理家電。中でも具材や調味料を入れてスイッチを入れたら、あとは自動でおいしく調理してくれる電気調理鍋が人気だそうです。圧力調理や無水調理ができるタイプなら、素材の栄養やうまみも逃さず調理してくれるなど、いいこと尽くめ! 今回は、そんな電気圧力鍋を選ぶ時のポイントやおすすめの商品を調理家電に精通する田中真紀子さんにお聞きしました。
白物家電、美容家電の専門家兼ライターとして活躍。日々発売される新製品をチェックし、製品の紹介記事やレビュー記事を雑誌やweb、新聞などで紹介している。日常的にも話題の新製品を使うことで、ライフスタイルに合わせた選び方や、上手な採り入れ方の提案も行っており、テレビ出演も多数。
一口に電気調理鍋といってもさまざまな種類がありますが、基本的には、毎日の調理をよりラクにしてくれるアイテムです。疲れて料理を作るのは大変……なんて思うときでも、電気調理鍋があれば材料を入れてスイッチを押すだけ。予約機能があるタイプなら、外出前にセットしていくのもいいかもしれません。
また、電気調理鍋は、圧力調理または無水調理を活用することで、野菜の皮や魚の骨まで食べられたり、水に溶けだしてしまう栄養を余さず摂れたり、いつもの調理法より栄養価の高い料理を作ることができるんです。自動メニューが豊富であれば、今まで作ったことがない料理にチャレンジでき、レパートリーを増やす楽しみも。
たとえば、冷蔵庫に残った野菜などは週末にまとめて煮込み、カレーにしてしまう、なんて習慣もおすすめ。食品を無駄にせず、節約にもつながり一石二鳥です。
では数ある電気調理鍋の中から、どのようなポイントに着目して選んだらいいのでしょうか。次項ではいくつかチェックポイントをご紹介しましょう。
電気調理鍋には圧力タイプと非圧力タイプがあります。圧力タイプは短時間で食材をやわらかく煮込むことができるため、調理時間を短縮できるメリットがあります。製品によっては圧力状態に達するまでに時間がかかる場合もありますが、魚を骨ごと煮込むなど、特に長時間かかる調理では、圧倒的な時短効果を実感できるはずです。
電気調理鍋にはさまざまなサイズがあり、容量はメーカーによって異なるものの、およそ2~3人分作れる小容量タイプと、6人分まで作れる大容量タイプがあるため、家族の人数に合わせて選ぶのが基本です。ただし大容量タイプとなると炊飯器より大きくなる場合もあるため、置き場所の確認を。副菜作り専用として、あえて小容量タイプを選ぶという選択肢もあります。
電気調理鍋の中には、レシピごとに適切な加熱時間(圧力時間)がプログラミングされた自動メニューを豊富に搭載しているものがあります。レシピに記載された分量の材料を入れ、メニューを選ぶだけで本格料理が完成するので、料理初心者におすすめです。
最近はWi-Fiと本体が連携し、アプリから操作できるものも登場しています。本体でメニューや時間、火力など細かな設定をしなくても、アプリで設定してから本体に送信すれば、設定もスムーズ。レシピ検索もできるので、仕事帰りに「今夜の献立はどうしよう」と困った時も、帰宅前にメニューを決めて帰りに買い物できます。そのほか、新しいレシピが続々とダウンロードできるのもWi-Fi連携の魅力です。
電気圧力鍋や電気無水鍋、煮込みから具材のミキシングまで1台でやってくれるスープブレンダーも、広い意味で電気調理鍋といってもいいかもしれません。それぞれの特徴と、家電のプロがピックアップしたおすすめ商品を紹介していきます。
電気圧力鍋とは文字通り、電気を熱源とした圧力鍋です。原理は普通の圧力なべと同じで、フタを密閉して加熱することで鍋の圧力を上げ、100℃より高温で調理できます。短時間でじっくり煮込んだようにやわらかく仕上がるのが特徴です。通常の圧力なべは、火加減をきめ細かく調整したり、蒸気が大きな音を立てて噴出したり、使い方を間違えると危険も伴うことから、苦手意識を持っている人も多いのですが、電気圧力鍋なら難しい火加減は不要なので、初心者でも安心して使えます。
●おすすめの電気圧力鍋
『電気圧力なべ SR-MP300』/パナソニック
特徴:コンパクトながら満水容量2Lと、カレーなら4~5人分作れる大容量タイプ。圧力をかけることで野菜のうまみが溶け込み、カレーの肉もやわらかく仕上がります。さらに通常の鍋で240分かかる黒豆の煮物は60分で完成し、120分かかるいわしの生姜煮も60分で骨まで食べられるやわらかさに。
田中さん「カレーや肉じゃがなど、人気メニューには自動調理機能や予約機能が搭載されているため、朝セットしておけば帰宅後すぐに熱々が食べられます。火力・圧力・加熱時間をすべて調節でき、初心者から上級者まで満足できる1台だと思います」
https://panasonic.jp/cook/products/sr-mp300.html
『Cook4me(クックフォーミー)』/ティファール
特徴:210と豊富なレシピを内蔵し、毎日の献立作りを助けてくれる電気圧力鍋。本体に材料や料理の手順が表示されるほか、アプリでも確認できるので、表示に従って進めていくだけで簡単に調理できます。火力が強いため加圧に至るまでの予熱時間が短く、自動で圧力を放出する機能も搭載しているため、時短効果も抜群。満水容量3Lのコンパクトタイプと6Lの大容量タイプから選べます。
田中さん「今まで料理をしたことがない人でも、手順通りに進めれば本格的な料理が作れるのが魅力ですね」
https://www.t-fal.co.jp/sp/products/pressurecookers/epc/cook4me/
電気無水鍋は、無水調理ができる電気調理鍋です。無水調理とは材料に水を使わず、食材から出る水分を活用する調理法。圧力はかけないため、圧力鍋ほどの時短効果はありませんが、素材のもつ栄養やうまみを凝縮した料理が作れます。特に野菜をお湯でゆでた時と、無水調理で蒸した時では、味の違いは歴然。電気無水鍋の代表格は、次項でご紹介するシャープの『ヘルシオ ホットクック』です。また、前述の電気圧力鍋の中にも無水調理ができるものがあります。
●おすすめの電気無水鍋
『ヘルシオ ホットクックKN-HW24F』/シャープ
特徴:水を入れない無水調理が自動でできる調理鍋。鍋の中をまぜ技ユニットがかき混ぜながら火加減を調節し、自動メニューは134種類、手動メニューは13種類用意しているほか、Wi-Fiと連携すれば新たに追加されるメニューをダウンロードできます。さらにアプリと連携すれば、アプリでレシピを検索して本体に送信でセット完了!
田中さん「普通の無水鍋での調理は料理が焦げてしまうこともありますが、この電気無水鍋であれば、カレーやシチューもほったらかしで完成します。無水で作ったカレーのおいしさは格別ですよ!」
https://jp.sharp/hotcook/products/knhw24f/
スープブレンダーとは簡単にいうと、ヒーター機能を搭載したミキサーです。材料をすべてボトルに入れ、スイッチを入れたら、まずは加熱して材料を煮込み、やわらかくなったらミキサーで材料をすりつぶすので、なめらかなスープが完成します。
●おすすめのスープブレンダー
『Soy & Soup Blender(ソイ&スープブレンダー)』/レコルト
特徴:ヒーターを内蔵したシンプルかつコンパクトなブレンダー。材料と水分を入れるだけで、煮込みから食材の刻み・かくはんまで自動で行ってくれます。
田中さん「なめらかな豆乳やスープを簡単に作ることができます。スムージーなど冷たいメニューもOKですよ」
https://recolte-jp.com/products/soy-soup-blender/
在宅時間が長くなって、毎度の食事作りを負担に感じている人もいるかもしれません。でもこんな時こそ、栄養をしっかり摂って健康を維持することが大切です。ご自分と家族の健康的な食生活を守るためにも、手軽に栄養たっぷり料理が作れる電気調理鍋を上手に取り入れてみてはいかがでしょうか。
循環型モデルの構築、そして健康長寿社会の実現に向けて取り組みを行っています。
ホームアクティビティHouse E-magほったらかしでも栄養たっぷり料理が完成! 今人気の電気調理鍋を選ぶポイントは?