トップメッセージ

代表取締役社長 浦上 博史

「3つの責任」をアンカーに
不透明な世界を進んでいく

ハウス食品グループ本社株式会社
代表取締役社長
浦上 博史

 新型コロナウイルスの感染拡大は、人々の生活や企業活動に大きな影響を及ぼしました。より正確には、未知なるウイルスの蔓延をひとつの契機として、社会の様々な問題が明るみになってきたといったほうがよいかもしれません。
 「ブラックエレファント(黒い象)」という言葉があります。想定外のリスクを意味する「ブラックスワン(黒い白鳥)」に対して、いつかは起きるとわかっている問題を放置して、大きな被害が起きてしまう事態を意味しています。今回の感染症の流行は、まさにそのひとつでしょう。ほかにも、気候変動、経済成長と格差の拡大、国家間の対立がもたらす分断など、取り組むべき問題はあちこちに広がっています。
 このような複雑な時代には、企業も大きく変わっていかなくてはなりません。
 たくさんの難しい問題に直面しながらも、これからも社会のお役に立てる企業であり続けるにはどうしたらいいのか。私たちハウス食品グループにとって、それは「3つの責任」を果たしていくことだと考えます。
 創業100周年を迎えた2013年、私たちはグループ本社制へ移行するにあたり、「食を通じて人とつながり、笑顔ある暮らしを共につくるグッドパートナーをめざします。」というグループ理念を策定しました。そのときに念頭に置いたのが、一企業市民として果たすべき「3つの責任」、すなわち「お客様への責任」「社員とその家族への責任」「社会への責任」です。企業としてただ利益の極大化に邁進するのではなく、私たちは様々なステークホルダーにとっての「グッドパートナーでありたい」という想いを表したものでした。
 これからの時代、企業を取り巻く経営環境は、嵐のなかを航海するような難しいものになるかもしれません。そのなかで「3つの責任」は、荒波に流されることなく、あるべき姿をめざして針路を定めるためのアンカーとして、ハウス食品グループの全ての活動の柱となっています。
 しかし、誤解を恐れずにいえば、自らの成長のために「3つの責任」を果たすわけではないのです。企業には法人格が与えられています。ということは人と同じように企業にも人格があるのではないか。品格の備わった人格として企業は、自分の名声を高めるために社会のお役に立とうとするわけではありません。人としてそうあるべきだと思うから、自分の務めを果たすのです。
 私たちもそのように品格のある企業になりたい。あるべき務めをしっかりと果たしていくなかで、全てのステークホルダーの皆さまのグッドパートナーとして、これからも長く社会に認めてもらえる企業であり続けたいと思っています。